銭湯の壁にある絵といえば富士山を思い浮かべる人も多いでしょう。
しかし、逆に銭湯に書いてはいけないタブーな絵もあります。
2021年1月23日(土)に放送された「有吉のお金発見突撃!カネオくん」という番組で「銭湯絵に書いてはいけない絵」という問題が出題したことで話題にもなりました。
書いてはいけない絵があるなんてびっくりですよね!
どんな絵が書いてはいけないものなのか、その理由も併せて解説します。
銭湯絵で書いてはいけない絵は3つある
有吉の番組では、
太陽、猿、雨、もみじ、カミナリ、ヘビ、お金、夕日、月、ヤシの木
このうちのどれか?という問題が出ました。
どれだと思いますか?
どの絵も銭湯ではあまり見かけないものばかりで、全部なのでは?となりそうですが、正解は、
- 夕日
- 猿
- もみじ(紅葉)
の3つなんです!
それぞれの意味としては、
夕日:日が沈んでいく=家業が沈む=景気が落ちる
猿:客が去る(さる)
もみじ(紅葉):散りゆく=客が散り散りになる=景気が悪くなる
⇒散らない「松」が描かれていることが多い
という、縁起のよくないものを連想させるということでタブーとなっているんです。客商売をしていれば、もちろん経営悪化につながる縁起の悪いものは置きたくないのが心情ですよね。
それでいうとカミナリも「落ちる」けど…?とはいえ、描いてもあまりいい気持でお風呂に浸かれないでしょうから描かないでしょうね。
銭湯絵に富士山が多いのはなぜ?銭湯絵の歴史

銭湯絵といえば富士山が思い出されると思いますが、なぜ富士山が書かれるようになったんでしょうか?
諸説ありますが、発祥は大正元年(1212年)の東京にあった「キカイ湯」が、施設を増築する際に、子供たちを喜ばせるためにペンキで絵をかくことを発案したそうです。
このとき絵を書いたのは洋画家の川越広四郎さんという方で、出身地が静岡県だったことから、静岡のシンボルである富士山を描きました。これがかなりの評判となり、ほかの銭湯も取り入れていったことで、富士山の絵が広まっていきました。
それが、現在の銭湯の絵=富士山に定着していったというわけです。
しかし、銭湯にペンキ絵を描くのは関東圏がほとんどで、関西はタイル壁のほうが多いようです。
東京では昔から富士山を愛でる文化があったので、それにマッチしたのでしょうね。
また昔は自宅に風呂がなかったこともあり、銭湯に行くのが生活の一部になっていたので、富士山を見ながらの風呂はとても気持ちのいいものだったのではないでしょうか。
男湯か女湯のどちらかひとつに銭湯絵をかく
もうひとつおもしろいこととして、富士山の絵は通常男湯か女湯かのどちらかにしか書かないという傾向があったようです。
男湯に富士山を書いたら、女湯には書かない。その場合の女湯の絵はなににするのかは特に決まってなく、自由でした。
これについての詳しい理由はあきらかにされていませんが、最近では男女で一枚絵になっている銭湯もありますので、そのような風習はなくなってきているのではないでしょうか。
また銭湯絵を書く絵師はペンキ絵師と呼ばれ、1960年代ごろは数十人いたペンキ絵師がいまでは数人ほどしかいなくなってしまいました。
日本独特の銭湯もそうですが、銭湯絵も廃れていくのはさびしいですね。
銭湯絵の相場や価格はいくら?
銭湯絵を書いてもらう相場や価格はいくらくらいなのか?気になりますよね。
いろいろと調べてみましたが、はっきりとした金額はわかりませんでした。
しかし、壁画制作でも最低5万円以上はかかるようで、さらに面積にもよっても価格は変動します。
銭湯の壁画はかなり大きいので、数十万円はするのではないでしょうか。
銭湯絵は何人いる?
銭湯絵が流行したころは数十人といましたが、2017年時点では全国でわずか3人。
銭湯自体も減少してしまったので、必然的に銭湯絵師も少なくなってしまいました。
日本独特の文化ですから、受け継がれなくなってしまうのはさびしいですね。
まとめ
現代は家に風呂があることが一般的ですので、銭湯に行く習慣がほとんどなくなってしまいました。
しかし、タブーな銭湯絵があるということを知ることで、銭湯が生活の一部だったことが感じられますね。
また富士山以外が描かれている銭湯を探し出すのも面白いかもしれません。
たまには足をめいっぱい伸ばせる銭湯に行ってゆっくりしてみてはいかがでしょうか。
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